工場のおばちゃん 山口恵以子
食堂のおばちゃん作家こと山口恵以子さんがお母さんをモデルに描いた小説です。
昭和の世相が鮮やかに私たちの脳裏によみがえります。
女流作家の本は読んでいて途中で嫌になってしまうことが多いのですが、この本はそんなことは一切ありませんでした。
面白くてぐいぐい読書に引き込まれてしまったほどです。
読んでいるうちに過ぎ去りし昭和の頃が思い出され、何とも言えず切ない気持ちにもなりました。
どんな一家の歴史にも、記憶に残る珍事件などがあるのもです。
そんな一つひとつの出来事が後で振り返るととてもいとおしく思えるのかもしれません。